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燕雀鴻鵠(えんじゃくこうこく)

約20年ほど前、私が自営業者として中小企業のウェブ制作を手掛けて間もない頃に「鴻鵠堂」という会社(現在は別の会社として屋号変更されています)のホームページ制作を任されました。
 
当時、このユニークな屋号名の意味を私は知らなかったのですが、そこに込められた意味を社長から教えてもらい、これがきっかけとなって、私は屋号命名についての関心が人一倍強くなり、後の屋号命名に関する研究を行なう原点となりました。
 
現在でも企業ホームページを制作する際、打ち合わせの冒頭で必ず「屋号に込められた由来や想い」をお聞きしているのは、この一件があったからです。
 
特に屋号を持っていた自営業者は、その規模がいかに小さいものであっても、その過程で様々な人間模様や歴史などの念が込められているものなのです。故にそのことを何も理解していない外部の人間が、その屋号を用いずに、敢えて「山田商店」とか「田中屋」などと適当に発言するのはリスペクトのない最大の心無い侮辱だと私は思います。
 
さて「燕雀鴻鵠」ですが・・・
燕(つばめ)
雀(すずめ)
鴻(ヒシクイやこうのとりなど/おおとり)
鵠(白鳥)
というそれぞれの鳥が充てられており「鴻・鵠」に比べると「燕・雀」は非常に身体が小さいことから・・・
 
「小鳥に大鳥の気持ちは分かろうはずはない」
=「小人物には大人物の志を理解することはできない」
 
という意味になります。
 
この言葉は、中国の秦時代に「陳勝」という人物が残したとされています。「陳勝」は時の政権に異を唱え反乱を起こした中心人物です。日本で云うところの大塩平八郎とか天草四郎のような人物です。
 
「陳勝」が残した原語は・・・
「嗟呼燕雀安知鴻鵠之志哉」
=「燕雀安(いずく)んぞ鴻鵠の志を知らんや」
 
「燕雀鴻鵠」という言葉は、上記の言葉から抜き出したものです。
 
 
この思想は実は現在でも中国で根強く残っており、例えば中国人が日本人に対する蔑視の言葉として「小日本」と表現している機会は、きっと皆様も見聞きしたことがあるかと思います。
 
これは単に国土面積が小さいということを意図しているのではなく、その真意は「大国や大人物の志を理解できない日本人」という、蔑視する言葉としては非常に重く強烈なものとなります。

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